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業界レポート 飲食店成功の秘訣
蕎楽亭(きょうらくてい)
素材を吟味した手打ちそば・うどんを武器に、夜は居酒屋的な利用も誘引
フードビズ編集部


夜は居酒屋的な利用が多く、7時過ぎにはほぼ毎日満席となる。客席はカウンターとテーブル席で構成。

 東京・神楽坂の粋な面影を残す路地の一角に、石臼挽き、手打ちそばを看板に掲げる「蕎楽亭」がある。昼は、周辺に勤務するサラリーマンやOLのランチ需要に応え、夜は酒類と酒肴の後にそばで締める「そば居酒屋」として、安定した集客力を見せている。

 店主の長谷川健二さん(37歳)は、高校卒業後、8年間サラリーマン生活を経験した。 しかし、自分で何かをやりたいという思いが強くなり、そば店での独立を志した。長谷川さんはソバの産地でもある福島・会津の出身で、農業を営む父親が自分で栽培したソバを自宅で打つこともあり、そばには親しんで育った。また、そば、うどんに加え、季節の酒肴などを工夫する上で、仕事の幅広さ、奥深さに魅力を感じたことも、そば店を選んだ理由である。長谷川さんは退社後、東京・神田神保町の繁盛店「松翁」に入って3年間修業し、98年に東京・市ヶ谷の17坪24席の店舗で独立開業を果たした。

 顧客から現物件を紹介されたのをきっかけに、タイミングとしても好機と判断して移転を決意。05年5月9日より現在地で営業を開始した。現店舗は20坪で、通り側に石臼を備えた手打ち場を設け、店内はオープンキッチン前のカウンター席と、テーブル席で計30席を配した。カウンター席を設けたのは、エビ、アナゴなどの活魚を水槽から取り出し、揚げたての天ぷらとして提供するときの機能性、演出効果などを考えてのことだ。


4種の麺の味とボリューム感で特徴を出す
 ソバは、長谷川さんの実家や近所の農家から分けてもらう福島・会津柳津町産と、茨城・ 岩瀬町産を丸ヌキで仕入れ、店内の石臼で挽く。両者を適宜ブレンドする二八そばと、会津産を使った十割そばの2種を打っている。 うどんは、埼玉・幸手産と北海道産の地粉に、オーストラリア産を若干ブレンドしたうどんと、地粉のみを使った細いひやむぎを打つ。 この4種の麺、計約100人前を、長谷川さんは毎日1人で打っている。

手前が「季節天ざる」(2300円)のめおともり(100円増)で、ここではアユ、ふきのとう、白魚の天ぷらをつけている。奥が「かけそば」(900円)。

 ざるそば900円〜という価格体系は決して安くはないが、1人前に生麺で175gを提供しており、そのボリューム感と味で支持を獲得している。夜は、酒類や料理を楽しんだ後、最後の締めでそばを注文するお客には、量が多過ぎてしまうため、1人前150gに調整しているが、それでも満足感が高い。また、特徴のある麺を1度に2種味わえるように、「二色そば」(そば&十割そば1050円)、「めおともり」(そば&うどん1000円)、「むぎめおと」(そば&ひやむぎ、1000円)も用意している。「鴨ざる」(1200円)、「天ざる」(2200円)などの冷たいそばのメニューは、麺の変更も可能で、十割、めおと、むぎめおとは100円増、二色もりは150円増で提供している。商品構成は、冷たいそば・うどん17品目900〜2300円、温かいそば・うどん14品目900〜2300円、一品料理約30品目380〜3000円など。ひとつひとつの素材を吟味しながら、品揃えにも幅をもたせ、最終的にはお客の自由な選択に任せている。店側からの押し付けはせず、あくまでも自然体を守る姿勢が、同店の魅力につながっている。

 客単価は昼1500円、夜4000円だが、夜、居酒屋的にゆっくり楽しんでいくお客は1人5000〜6000円となる場合が多い。月商は500〜600万円で推移している。 「お客さまには、気楽に自由に楽しんでいただきたいと思っています。かしこまったり、能書きをたれるのは自分では好みませんし、多店舗化も考えていません。幸い、いいお客さまに恵まれていますので、今後もこの店でいっそう努力していきたいです」

 と、長谷川さんは真摯に語っている。



蕎楽亭(きょうらくてい)
住所東京都新宿区神楽坂3-6 神楽坂館1F
TEL03-3269-3233
店舗規模20坪30席
営業時間11:30〜15:00(火〜土)、17:00〜21:00(L.O.)
定休日日祝


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